魔女っ子(予定)少女 まなちゃん
18.紅の記念日
「ねっ! ねっ! やっくん。やっくんってば!」
「んー…」
「もう! 本ばっかり読んでないで、聞いてよー!」
「あー…うん…」
僕はその時、まなちゃんの部屋で雑誌と格闘していた。
身長5センチの僕にとっては、雑誌を読むというより『格闘する』という表現の方が
近い。いきおい、僕は生返事で答えてしまう。
「ホントに聞いてる?」
「うん…」
「・・・・・やっくん、あたしって、可愛い?」
「うん…」
「それじゃ、やっくんのこと、食べちゃってもいい?」
「うん…」
「うキーッ!!!
ぜんっぜん聞いてないわね!?」
『ひょいっ! パタン!』
《ぎゃーっ!!》
「もう怒った!
やっくんなんか本に挟んで押し花にしてやる!」
言うより早く、まなちゃんは、僕を乗せたままの雑誌を乱暴に持ち上げて
僕を中に入れたままページを閉じてしまった。
《バカ! ホントにやるなーっ!》
雑誌の間で押しつぶされないように全力で踏ん張っているから声も出せない。
必然的に、僕の悲鳴はテレパシーで発信されることになる。
『ぎゅうぎゅう!』
《やめろ! 早く出せっ!》
『みしっ』
《わわっ、つぶ、つぶれるーっ!!!》
「もう・・・やっくんが悪いんだからね。
最初っから本気で聞いてくれてたらよかったんだよ。」
フイッと体が軽くなった。
落下している…と思うまもなく、べちゃっと腹から着地した。
「あだっ! 痛てぇ〜」
汗と涙でかすんだ僕の目にクリーム色の大地が映った。
そこは部屋の真ん中に置かれたクッションの上だった。
「ど・ちくしょー! なんてことすんだ! このジャ…リ…」
毒づきながら体を起こす僕の目に次に飛び込んできたのは肌色の太い柱だった。
それが二本。僕の左右からその巨大な存在感を誇示していた。
(やー…。なんだか、思うに、まだ危機は去っていないのかな?)
僕は、恐る恐る顔を上げてみた。
思ったとおり、彼女は僕の前(むしろ上)に、仁王立ちしていた。
ほぼ真下から見上げる水色のワンピース。スカートの奥には白っぽいものが見える。
(あれ? いつもの下着と感じが違うなぁ。)
なんとなく違和感を覚えたが、詳しくチェックしている余裕は無かった。
彼女の顔が、限りなく不機嫌そうだったからだ。
こういう時は何でもいいから速やかに謝ってしまったほうが良い…
と、脳の奥の海馬が主張していた。
「あ。ああ、まなちゃん。ごめんごめん。
ちょっと読むのに夢中になっちゃっててさ。ほんと、ゴメンね。」
「・・・・・」
「あの…まなちゃん?」
「ふぅ。しょうがないなぁ。
このまま、やっくんの上に座っちゃおうかと思ったけど、許してあげる。」
「わぁ。ありがとー。まなちゃん。」 (うひー。あぶねー!)
[特撮ナレーション風に]
こうして、彼の的確な判断により、被害は最小限に食い止められた。
しかし、これで終わりではない。いつまた同じ災害に襲われるかもわからない。
それに備えて、リスクを冒しても、やっておかなければならないことがある。
さあ、ありったけの勇気をぶつけるのだ!
「あのさー、まなちゃん。ちょっといいかな?」
「ん。なあに?」
「ほら。さっき、僕を本の中に挟んじゃっただろ?」
「うん。」
「あれさー、中綴じの… ほら、ペラペラの薄い雑誌だったから助かったけど、
ハードカバーの硬くて分厚い本だったらさ、僕は潰されて大ケガしてたと思うんだ。」
そのとおりだ。悪くすれば、本を閉じられただけで僕は「二次元の世界」に直行して、
そのまま帰ってこられなくなる。つまり死んでしまう。
「うん。わかった。」
「おー。わかってくれた?」
「硬い本の時はしないようにするよ。」
「あ。いや。出来れば柔らかい本でもやめてほし…」
「それより! ねー、やっくん。 聞いて! 聞いて!」
大いなる勇気のパワーもその辺が限界だった。
彼女の機嫌を再び損ねないためには、引き時も肝心である。
「やっくん。きょうは、何の日だかわかる?」
「何の日って、急に何だい?
ええっと… 海の日は終わっちゃったし、コミケには少し早いし…」
さっきのショックから立ち直りきれていない僕がトンチンカンな答えを連発していると、
だんだんと、まなちゃんの頬が膨らんできた。これはヤバい兆候だ。
「ねえ! やっくん、わかんないの?」
「あー。ごめん。
さっき、ちょっと頭を打っちゃってね。ちょっと待ってね。今、思い出すから。」
(えーっと。えーっと。いったい何だ?
たぶん、まなちゃんに関係あることで…
今日は何日だっけ。7月…あれ?
そういえば、さっきは観察する暇がなかったけど、
まなちゃんが着てるの、いつもよりお洒落っぽい服のような気が…)
「あ! ひょっとして、まなちゃんの誕生日!!」
「やっと思い出したの? もう…」
そういえば前に聞かされていた。7月30日。わりと覚えやすい数字だった。
「これからね、お母さんとお祝いをするの。
ホントは、やっくんも一緒に居てほしいんだけど、
お母さんに見つかるといけないからね。後でお料理だけ持ってきてあげる。」
「そうかぁ。11歳になったんだね。まなちゃん、おめでとう!」
「えへへ、ありがと☆ じゃ、後でね。」
まなちゃんは少し照れくさそうに微笑み、パタパタと早足で部屋を出て行った。
(うーん。まなちゃんと出会ってから、もう4か月か…
いろいろな事があったよなあ。
信じられないような…というか、信じたくないような…)
僕は苦笑いしながら、足音が遠ざかっていくのを聞いた。
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「むぐむぐ…んっく… うほー。う・ま・い〜!」
その夜、予告どおり僕は、山のような御馳走に囲まれていた。
まなちゃんは、料理を運んできた後、再びリビングに行っている。
お母さんと何やら賑やかにおしゃべりをしている声がここまで聞こえてくる。
こういう時でないと、忙しいお母さんとは、ゆっくり話せないということらしい。
彼女は、ちゃんとお母さんのことを理解していて、
普段あまりかまってもらえなくてもグレたりせず、実にいい娘に育っている。
まあ、ちょっとだけ普通じゃないみたいだが。
いや、ものすごく普通じゃないかもしれないが。
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さて、夜も10時をまわった。
まなちゃんはといえば、今夜は久しぶりに親子で一緒にお風呂に入って、
今しがた上機嫌で部屋へ戻ってきたところだ。既にパジャマ姿になっている。
「ごめんね、やっくん。ほったらかしにしちゃって。」
「なに言ってるんだよ。そんなの気にするなって。」
「うん。でも…」
「せっかくお母さんとゆっくりできるんじゃないか。
今夜は、まなちゃん、お母さんと一緒に寝るんだろ?」
「やだ! あたし、そんなに子供じゃないもん!」
「そうなのか? ま、11歳になったんだもんな。」
「そうよ。あたし、もうオトナなんだから!」
「大人? ふーん。おとな…ねえ?
まあ、僕から見たら確かに『大きい人』だけどね〜。」
僕は、まなちゃんの足元から頭のてっぺんまで舐めるように、
わざとらしく視線を走らせた。
平らな胸のあたりを特に念入りに。
(ん? ありゃ? 変だな。)
いつもなら、僕がこんな事をしたら、すぐ膨れっ面になる彼女のはずだったが、
むしろ、余裕ありげにニヤニヤ笑っているではないか。
(うっ。これは。まなちゃん、何か企んでるな?
もう手遅れかもしれないけど、早々に退散した方がいいな。)
「お! もうこんな時間か。
もう夜遅いから、寝なくちゃね。じゃ、まなちゃん。おやすみー!」
おやすみを言い切る前に、僕は自分の寝床に小走りで向かった。
「あん! ちょっと待ってよ。」
(ぎくっ!)
その一声で、もちろん、僕の足はフリーズし、それ以上一歩も進めなくなった。
「あたし、やっくんにも話したいことがあるんだから。」
(ごまかせ! 無理を承知で、なんとか切り抜けるんだ。)
「え? ああ… た、誕生日プレゼントだよね?
ごめん! まだ用意してないんだ。2・3日待ってよ。」
「ちがうよ! そうじゃなくて、見てほしいものがあるの。」
「僕に?」
「うん。ちょっとね。 どうしようかなぁ…」
まなちゃんは両手を腰の後ろに回したまま、変にもったいぶっている。
僕に何を見せたいのか知らないけど、どのみちこの身に降りかかる災難なら、
早く終わらせて早く開放されたほうがいい。
「何だい? 早く見せてよ。」
「えへへ… それじゃあ… じゃ〜ん!!!」
「わぷっ!?」
まなちゃんは、いきなり、後ろに隠していた物を僕の上にかぶせてきた。
「な…何だこれ?…」
僕に覆い被さって来たのは大きな白い布だった。
そして、それは独特のニオイを漂わせていた。
「これは… もしかして、まなちゃんの ぱんつ ? しかも使用済み…」
「当ったりー!! …と言いたいところだけど、
ただの ぱんつ とは違うのよ。よお〜っく見てちょうだい!」
「え? 何か変わった形とか柄とかか?…」
僕はぐるっと見回す。
「これと言って別に珍しいことは…
あれ? 妙な所に変なワンポイント模様があるぞ。」
僕は、そのワンポイント模様に近寄ってみた。
大きさは通常スケールで十円玉くらい。不規則な形。
濃い赤色。少し茶色がかっているかもしれない。
生臭いような変わった匂い。
そっと触るとゴワゴワしていた。
それに、この場所は、ちょうど女の子の大事な部分が…
「あ! そうか。 まなちゃん! アレが来たのか!!」
「やっくん、だい正解〜!! ぱふ!ぱふ!ぱふぅ〜!」
「そうか。まなちゃんもねー。んー。まあその。
何と言ったらいいか困るけど、とりあえず『おめでとう』だな。」
「むふふー。だから言ったでしょ。オ・ト・ナだって。」
「はいはい。僕の負けです。まいりました。」
両手を上げて降参のポーズをとって見せた。
彼女が初潮を迎えたとなれば、僕としても認めざるを得ない。
まなちゃんは『体だけは』大人の女になったということを。
「だけど、いつの間に? 僕、ぜんぜん気付かなかったぞ。」
僕はほとんど毎晩、彼女に添い寝させられている。
それも、彼女の「ぱんつの中」に押し込められて、
まさに「その場所」の前で眠っている。
一方、昼間でも、彼女と僕はこのとおりの体格差だから、
普通にしていても彼女のスカートの中をローアングルから見上げる場面も多い。
彼女のそれに外見的な異常が見られたなら、彼女が自覚するよりも、
むしろ僕が先に気付く可能性の方がずっと高いはずだ。
「だって、きょう始まったばかりだもん。
朝、起きた時は、まだなんともなかったのよ。
その後、歩き回ったりしてる間に出て来ちゃったみたい。」
「そうか。でも、びっくりしただろ?」
「うん。それは、少しはドキッとしたけど、
前に学校で教えてもらってたし、どうってことないよ。」
「なるほど。で、痛くない? 気分悪くなったりしてないかい?」
「んー。別に。ちょっともやっとした気持ちがするような感じだけど。」
「よかった。それなら一先ず安心だな。」
「やっくん。もしかして、あたしのこと心配してくれてる?」
たしかに、僕は心配していた。
まなちゃんの体のことも、もちろん心配だが、
それよりも何よりも、生理痛とかが原因で彼女の機嫌が悪くなって、
その矛先が僕に向くことが何よりも心配だ。
今日は彼女の誕生日だし、彼女が大人になった記念日でもあることだし、
ここはひとつ、リップサービスなるものを試してみよう。
「そりゃ、心配するさ。
僕にとっては、まなちゃんが世界で一番大事な人だからね。」
「ホント? きゃーん☆うれしい!」
僕の言葉は嘘ではない。
僕の運命は彼女が握っているに等しいのだから。
彼女が居なければ、今の僕は生きていけないし、
彼女が居なければ、いつか元の大きさに戻るという僕の未来も無いかもしれない。
それに、何かというと僕を玩んで楽しむ彼女だけれど、なぜか憎めないのも事実だ。
僕の一言に小躍りしながら喜ぶ彼女を見ていると、自分まで幸せな気がしてくる。
「それで、ねえ、やっくん。あの約束は覚えてるよね?」
「ああ…あれか。
こんなに早くなるとは思わなかったけど、まあ、仕方ないな…」
僕は既に覚悟が出来ていた。
何とか誤魔化して逃れようという気にもならなかった。
あの『約束』・・・
それは、いつの頃だったか、まなちゃんが、ある本を持って帰ってきたことがあった。
どこかで拾って来たらしいのだが、その本が曲者だった。
『10歳から始める正しいSEX』B5・32P・オフセ・表4色・成年向
それは、無責任な内容の自費出版誌だった。
彼女はそれを読んで真に受けてしまい、それなら私も…と、
その本に描かれている内容を、僕を相手にして実践しようとした。
僕は、熱くなった彼女を止めるために、とっさにこう言ってしまったのだ。
体が大人になって相手のものを受け入れられるようになるまではダメだ。
アソコが未熟なうちに物を入れると、痛くなったり、病気になったりする。
せめて、初潮が来るまで待ちなさい!
・・・と。
僕はすぐに後悔したが、取り消す機会も無かったし、
それに、倫理上の問題はさておき、僕程度の大きさのコビトが
彼女の性器の中に入ってゴソゴソやったとしても、彼女を肉体的に
傷つけることはないだろうと無理やり納得し、今日に至っている。
だが、あの時の興奮しきった獣のような彼女と違って、今日の彼女は落ち着いていた。
「あー。でも、あたし、きょうは血が出てるから気持ち悪いなー。
やっくんもちゃんと覚えててくれたし、エッチな遊びはまた今度にしよっと!」
「そ… そうだよね。生理の最中は変なことしない方がいいよ!」
大賛成だった。
今のうちに話題を変えよう…と思ったが、今日のトレンドは動かしがたい。
「そういや、まなちゃん。今はどうしてるの? ナプキン使ってるの?」
「うん、そうだよ。お母さんにもらったの。ホラね!」
「わっ!」
まなちゃんは僕を右手でひょいと摘み上げると、左手でパジャマの下をずり降ろして、
ぱんつの前に僕を近付けた。
風呂上りの暖かく湿った空気と一緒に、さっき嗅いだあのニオイがほわっと漂ってきた。
彼女の行動は相変わらず羞恥心に欠けている。
まさか、学校などでもこんな風ではないのかと心配になってくる。
「わざわざ見せなくてもいいのに。
でも、ふーん。思ったより薄くて目立たないんだね。」
「そうなの? 『少ない日用』だって、お母さんが言ってたけど。」
(ああ、そうか。
夕方、まなちゃんのスカートの中に感じた違和感。
あれは、ぱんつの中にナプキンが入っていたからだったのか。)
「ね。やっくん、もっと近くで見たい?」
「え? いや、これ以上近づくって…
やめよう! まなちゃん、もう降ろしてよ。」
「なんだ、もういいの?」
まなちゃんは素直に僕を机の上に降ろした。そしてパジャマを整えた。
「そういえば、やっくん。
さっき、誕生日プレゼントくれるって言ってたよね。
あたし、今すごく欲しいものがあるんだけど、プレゼントしてくれる?」
「え? ああ、僕にあげられる物ならね。」
「それなら、あたしねぇ。タンポンが欲しい!」
「はぁ?」
「今はお母さんにもらったナプキンを当ててるけど、ちょっと変な感じがするのよね。」
「はぁ…」
「お母さんが持ってるタンポンは大きくて、ちょっと怖いし、
だからね。あたし、小さいジュニア用のタンポンが欲しいの!」
「そ…それは僕がプレゼントするような物じゃないだろ? 明日、買ってくれば…」
「あたしは、やっくんにプレゼントして欲しいの!」
まなちゃんは、僕をじっと見つめている。真剣な表情だ。
「僕に?」
「そう。やっくんに。今すぐ!!」
「今すぐって、それは無理だよ…」
「だめ! どうしても今日中に!
あたしの誕生日、もうすぐ終わっちゃうんだからね。」
「でも…どうやって? 今から買いに行けっての?」
近所の薬屋さんはもう夜遅いから閉店しているだろうし、
ジュニア用となると、はたしてコンビニに売っていただろうか。
それより、そもそも、僕一人では買い物なんかに行けやしない。
「買いに行かなくてもいいでしょ? やっくんならね。うふふ…」
まっすぐな視線を僕に向けたまま、じりじり近づいてくる。
(はぁ… そういうこと?
なんとなく、わかってはいたけどね…)
まなちゃんは、今度はパジャマの下を完全に脱ぎ、ぱんつまで脱ぎ捨てた。
上半身がパジャマで、下半身はすっぽんぽんのいわゆる『下脱ぎ』スタイルになる。
彼女の足下に無造作に置かれた ぱんつ は、クロッチがほっこり盛り上がっていた。
そこには、お風呂上りに替えたばかりのナプキンが貼り付けられている。
「あーあ。結局こうなるのか〜。
仕方無いな。プレゼントになってやるよ。」
「ほんと? やったぁ!」
「だけど、まなちゃんはどうかなあ。本当にタンポンを使っても大丈夫かなあ?」
はしゃいでいた彼女の顔が少しマジになった。
「え? 大丈夫じゃないこともあるの?」
「そうだよ。まなちゃんは…その…まだバージンだし、
バージンには、傷つけてはいけないものがアソコの中にあるんだ。」
「あ! あたし、知ってる! しょじょまくでしょ?」
「うっ。まあ、そのことだね…。
それでだ。処女膜の形は人それぞれで、色々な形があるんだよ。
もしも!
まなちゃんの処女膜が、タンポンが通りにくい形をしていたら、
入れたときに、すごく! ものすっご〜く! 痛いかもしれない。」
「え〜っ! あたし、痛いのは嫌だなぁ…」
本当は、タンポンくらいでそれほど大げさになることもないのだが、
この際、いつも遊ばれている分、少し彼女を脅かしてやろう。
「そうさ。処女膜が痛いだけじゃないよ。
生理になって元々血が出てる所に、棒を突っ込むんだよ。
ほら。擦りむいた傷口を触ると痛いだろ? むちゃくちゃ痛いだろうな〜…」
「う〜。どうしよう。痛いの怖い。痛いの怖いよ・・・」
(ぐふふ。悩んでる。悩んでる。)
いい大人が子供を苛めて喜んでいるというのは情けない気もするが、
虫のような僕の腕力では彼女に絶対かなわないのだから、
このくらいは許されるはずだ。
「そうだ。ねえ、やっくん。ちょっと見てみてよ。」
「え? うわっ!?」
いきなり摘み上げられた。
そして、まなちゃんはフローリングの床にぺったり座り込んで両足を広げながら、
「ほら。よく見てよ。」
と言いつつ、右手で摘んだ僕を股の間に持って行き、
左手を性器に当てて、指でぱっくりと開いて見せた。
「うわーっ! うわーっ! ビックリしたーっ。」
その場所が男にとってあこがれの秘密の園であるとはいえ、
こんな巨大な、こんな血まみれでぐちゃぐちゃの…
こう言っては悪いが、不気味だ。
ホラー映画に出てくる怪物のようにも見える。
「ねえ。やっくん。どう? あたしの処女膜、どんな形?」
「うっぷ。気色悪ぅ〜…」
「んもう! ちゃんと見てってば!」
まなちゃんは、業を煮やし、僕を膣口ぎりぎりまで押し付けた。
その怪物は暗紅色の涎を垂らした巨大な口で、今にも襲いかかってくるように見える。
「ひえー! 助けて! 飲み込まれる!」
「やっくんっ! 怒るよっ!!」
「あー。ごめん。ごめん。 見る! ちゃんと見るから。」
「もう。ふざけないでよね。あたし、真剣なんだから。」
「悪かったよ。しっかり見るから。
…と言いたいところだけどね、まなちゃん。
このままだと、たぶん見えないんじゃないかな。」
「血が付いてるから? 拭いたら見える?」
「いやいや、血のせいじゃなくて、
たぶん、指で開いたくらいじゃよく見えないと思うし、
それに、本当のことを言うと、僕もよく知らないんだ。
処女膜がどこに付いてるかとか、どれくらい痛いかなんてね。」
「えーっ! そうなの? じゃあ、どうしたらいいのよ。」
「まあ、とりあえず、使ってみることだね。タンポンを。
ゆっくり、ゆっくり入れてみて、痛かったらすぐやめればいい。」
「そっかー。それしかないのね。」
「それしかないなぁ。
どうする? まなちゃん。やってみる?」
「うーん……………」
「それとも、やめとくかい?」
「ううん。 やる! やっちゃう!」
「そう言うと思ったよ。」
とはいえ、稀にではあるが、女性の中には、そのままではタンポンが通らない
ような形状の処女膜を持った人が居るのも事実であり、
まなちゃんが万が一そうだとしたら、僕としてはなるべくそれを傷つけたくない。
どうすればよいか?
僕はまず、自分の体に潤滑用のローション(成分は秘密)を塗りたくった。
「それじゃあ、まなちゃん。
まずは、そこを濡れティッシュで拭いてきれいにして。」
「うん。わかった。」
「優しく拭くんだよ。
それから、仰向けに寝転がって、足を開いて、膝を立ててくれるかい。」
「え? うん… いいけど…」
まなちゃんは僕の指示したとおりのポーズを取った。
「次は、僕を摘んで大事な所に持っていって、
空いてる方の手の指でそこをしっかり開くんだ。」
「はい…」
まなちゃんは、きょとんとしながらも、僕を性器へと運び、
割れ目を指で押し広げた。
ピンクの花びらの中に、ちんまりした膣口が見える。
「それじゃあ、行くよ!
お腹の力を抜いて。そう、深呼吸して。落ち着いて。
僕をゆっくり押し込むんだ。潰さないように気を付けてくれよ。」
僕は、目前の巨大な女性器に両腕を突っ込み、その中へ突入しようとした。
だが、それを制止するかのように、まなちゃんの意外そうな声が飛んできた。
「えっ? やっくん。そのまま入るの? タンポンに変身しないの?」
「ああ。そうだけど?」
「そうって、人間のままで、ちゃんと吸収できるの?」
「そりゃあ、もちろん、このままじゃ出来ないよ。
だけど、タンポンに変身しちゃったら、僕は自分で動けないからね。
だから、一度このまま入って、まなちゃんが痛くないように膜とか避けて
正しい挿入位置まで行って、それからタンポンに変身した方が合理的だろ?」
「でも、それって、大丈夫なの?」
「平気だと思うよ。
入り口が狭いから、入るときはちょっと手伝ってもらわなきゃ無理だけど、
まなちゃんが、ちゃんと僕の言うとおりにしてくれたらうまくいくよ。
ほら、ちゃんと僕の足に紐を結んでおいたから、後で取れなくなったりしないよ。」
「それはいいんだけど、あたし、ぜんぶ自分でやってみたいのよ。
普通のタンポンを普通に使う練習もしておかなくちゃ。
やっくんだって、あたしが生理の間中、ずっとタンポンのままで居られないでしょ?」
「そりゃ、何日も使われっぱなしじゃ、僕だって体力が持たないよ。」
「でしょー?
疲れて変身が解けちゃって、あたしの中で溺れちゃってもいいって言うんなら、
本物のタンポンに浮気しないで、やっくんだけを使ってあげてもいいんだけどね。」
「遠慮しとくよ。まだ死にたくないからね。
それに、タンポンだって一日何回か交換しなきゃだめだから、
本物のジュニア用タンポンを買ってきて、それを使ってもらわなくちゃな。」
「そうよね。
やっくん、明日、学校の帰りに、いっしょに買いに行ってくれる?」
「どのみち、一緒に行くしかないだろ? 僕は出られないんだから。」
「あ。そうだね。えへへ。」
薬屋の店員さんには、女の子が一人で買い物に来ているように見えるだろう。
その娘が生理用品代わりに人間を挿み込んでいるなんて想像もしないに違いない。
「じゃあ今日は、やっくんで練習して、明日から本物を使うね。
そうだなぁ。やっくんは『来ちゃった日』にだけ使ってあげる☆」
「えっ? だって、その時には、もう僕を使わなくてもいいだろ?」
「だ・め! 使うんだもーん!
もうプレゼントに貰うの決定だもん。あたしの物になるんだからね。」
「おいおい、モノってなあ…
まあ、月イチくらいなら仕方ない…のか?」
「わかった? それじゃあ練習しちゃおう。
あたし、自分で入れてみるから、やっくん、変身してくれる?」
「はいはい。了解…。
だけど、その前に、ちょっと待っててくれるかい。」
季節は夏だというのに、僕は服をいっぱい着込んだ。
薄着のままアレをやると大変なことになるのは、ゆりかちゃん事件(10話『外泊』)で
判明している。
「お待たせ。それでは…変・身!」
『しびびっ』
アプリケーター付きタンポンがコトリと音を立てて転がった。
初心者でも挿入しやすい水滴形のタイプになってみた。
「うふふ… かわいい☆」
さっそく、まなちゃんは僕を手にとって、回したりひっくり返したりして観察している。
「ね。ね。タンポンさん! 使い方、教えてよ!」
《「タンポンさん」って、なんか、間抜けな呼ばれ方だなぁ…まあいいけど。》
タンポンは声を出して喋れないので、テレパシーでの会話となる。
(使い方って、そんなの、説明書を読めば………あ!)
そうなのだ。
これは僕が変身したタンポンなのだから、説明書なんて付いているはずがない。
もちろん僕はタンポンを使ったことは無いし、使い方も詳しくは知らない。
僕の知識なんて、テレビのCMや雑誌の広告などで聞きかじっている程度に過ぎない。
となると…
そもそも、僕が変身したこのタンポンは『正しい』構造になっているのだろうか?
ちゃんと機能が備わっているのだろうか?
「やっくん? どうしたの? 大丈夫?」
僕が急に黙り込んでしまったので、まなちゃんが心配している。
このまま、知ったかぶりをしていようか。
それとも、正直に事情を話して、使用を中止してもらうか。
まなちゃんを落胆させるのは不本意だが、もし、僕が変身したタンポンの欠陥のせいで、
彼女の大切なところに怪我でも負わせてしまったら、悔やんでも悔やみきれない。
《まなちゃん。じつは…》
状況を説明しようとしたそのときだった。
僕の中で何かが弾けたような気がした。何かが来る。
(おわっ!? なんだ? これは。)
それは僕の心の中に直接湧き出してくるようだった。
(これは、文字? 言葉?)
レギュラースーパーアプリケーターフィンガーベール吸収体違和感ゾーン
無感覚ゾーンリラックス処女膜開口部トキシックショック症候群・・・・・
情報だった。
タンポンに関するあらゆる知識が勝手に僕の中に集まってくる。
根拠はないが、なんとなく自信のような感じも湧いてきた。
(出来る! 僕は出来るぞ! タンポンのプロとしてやっていける!)
そういえば、以前、ゆりかちゃんに使われてしまった時も、
その場を誤魔化すためにいい加減に変身したにもかかわらず、
タンポンとして一応は正常に機能したではないか。
《やっくん! やっくんってば、返事してよ!》
《あー、ごめんごめん。ちょっと考え事をしてたんだ。》
《べつに、そんなに無理しなくてもよかったんだよ?
やっくん、男の人だから、
考えてみたらタンポンの使い方なんて知ってる方が変だし、
使い方がわからないんだったら、あたし、自分で適当にやってみるから。》
《いや。それはやめてくれ。まなちゃんの『適当』は怖いから。》
《え、なんて言ったの?》
《だっ、大丈夫。
というか、じつは、さっきまでよく知らなかったんだけど、
不思議に、なんか、急に全部わかってきたって言うか、とにかく大丈夫。》
僕は、さっき起こった現象を、彼女に話して聞かせた。
変な誤解はされたくないし、ちゃんと話したほうが彼女も安心すると思ったからだ。
《つまり、変身の副作用みたいなものだと思うんだ。》
《フクサヨー?》
《ああ。『オマケ』って言ったらいいのかな。
僕は今まで色々なものに変身したけど、
形とか手触りとかを真似するだけじゃなくて、能力とか性質…ってわかる?
鳥ば空が飛べるとか、磁石がくっつくとか、ちゃんと本物と同じになってただろ。》
《そうよね。キャンディーに変身したときは、ちゃんと甘くて美味しかったし。》
《うわー。嫌な思い出だなぁ。少し溶かされちゃったんだよな。》
《ちょっとなめて、すぐに元に戻れば平気なんだよね。またやってほしいなぁ。》
《ダメだって!
あの時は、溶けた場所がほとんど服の部分だったから助かったけど、
いつも無事とは限らないんだぞ。
あの後、体じゅうが日焼けしたみたいになって、すっごく痛かったんだ。》
《ちぇー。》
《さあ、話を戻すよ!
僕の変身は、本物と同じ能力や性質が備わるんだけど、
今度のはそれだけじゃなくて、変身した物についての知識が…えっと、
タンポンに関係ある色々な事が、何もしなくても自然にわかっちゃったんだな。》
《ふーん。それじゃ、使い方も分かったのよね。》
《そのとおりさ。
取り扱い説明から使用上の注意、Q&Aまでバッチリだよ。》
《すっごーい!
それなら、お店で売ってるどのタンポンにも負けないよね。》
比較のされ方が少し気になるが、まあいいだろう。
今の僕にとって最も重要なのは、これから取り掛かる仕事だ。
期待されている以上、手を抜くわけにはいかない。
《じゃ、始めようか。
ええっと、まなちゃん、手は汚れてないよね。》
《うん。お風呂に入ったばかりだし、変なものは触ってないと思うわ。》
《OK!
それじゃあ、まず、脚が自然に開くように、片足を適当な台の上に置くんだ。》
《わかった。テーブルでいいかなぁ。》
《いいと思うよ。》
部屋の端に置かれた脚の短い白い丸テーブル。
ちゃぶ台と呼ぶには少々かわいらし過ぎる。
《まなちゃんは、利き脚ってどっちだっけ?》
《ききあし?》
《ほら、走り幅跳びとかで、踏み切る方の脚さ。》
《ええっと、幅跳びは、ああやるから…右かな。》
《だったら、その反対の左足をテーブルに載せて。
それから、ちょっと前屈みになって、股を開き気味に…》
使われながら自らが使用法を解説するタンポン。
もし実用化されれば画期的かもしれない。
《うん。こんな感じでいいかな。それから?》
《僕を右手の親指と中指で挟んで…
あ、真ん中のザラッとしたところを持つんだよ。》
《はい…》
彼女の利き手が右手であることはもちろん知っていた。
いつも僕を摘み上げる方の手だ。
《よーし。
そしたら、左手の人差し指と中指で、アソコを押し広げて…》
《あは…くすぐったい!》
《どう? 膣口っていうか、入り口が分かるかい?》
《うん。お風呂でお母さんに教えてもらったけど、
鏡を使わないと、上からじゃよく見えないのよね。》
《そうだな。和式トイレとかでやるときは、手鏡も使いにくいだろうから、
しっかり場所を覚えておかなくちゃね。今日は僕がリードするから、やってみて。》
《んー。この辺かな…》
僕の前方に、女性器が近づいてくる。
彼女は、期待いっぱいの中に僅かな不安をうかべた表情で僕を見下ろしている。
『くにゅ…』
僕の頭が最初に押しつけられたは、尿道口の近くだった。
《まなちゃん、違うよ! もうちょっと下だよ!》
《え? この辺?》
《もう少し下。そうそう、もう少し。あ、行き過ぎ。ちょっと戻して。
よし! ここ! そのまま、もっと近付けて。先っぽを、膣口に当ててみて…》
《うふっ。いよいよだね…》
今度は間違いない。
僕は、経血でちょっと赤黒く汚れている花びらの中心へと近づいていく。
『くちっ…』
「あ…」
僕の頭が膣口へと埋まった。まなちゃんが肉声を漏らす。
《ようし、いいぞ。お腹の力を抜いて、
深呼吸してリラックスして…
息を吸って、息をゆっくり吐きながら
斜め上に向けて、全体をゆっくりと押し込むんだ…》
《うん…》
『ず…ずにゅ…』
「あうっ…」
《痛かったらすぐ止めるんだよ。》
僕は少しずつ、まなちゃんの膣の中へと押し込まれていく。
《ああ…やっくん、あたしの中に入ってくるよ… ん… あ…あれ?》
《どうしたの? まなちゃん。痛いの?》
《ううん。痛くはないんだけど、ちょっと、何か引っかかってるみたいで…》
《そういう時は、軽く押しながら持っている所を少し上下に動かしてみるんだ。》
《うん… あ。入った。》
《もう少し… 親指が膣口に当たるくらいまで入れるんだ。》
「ん…あ…」
《それくらいでいいよ、まなちゃん。
次は、糸が付いている方に人差し指を添えて…
ゆっくり中筒を押すんだ。おなかの力は抜いて。
親指と中指にしっかり力を入れて滑らないように。》
『ずにゅっ…』
「くふうっ…」
彼女の人差し指の力で僕の体が足の方から押されて圧縮された。
そして僕の頭がアプリケーターの先端を押し広げ始めた。
頭頂部に強い熱気を感じる。
アプリケーターの先端は蕾状に内側を向いて割れているので、
体がゴリゴリ擦られて少し痛い。
《いいぞ。その調子で、僕をもっと奥へ送り込むんだ。》
『ぬ…ぬ…コッ』
僕の体はアプリケーターから押し出されて更に膣の奥へと押し込まれ、
ぷにゅっと柔らかく、そして熱い膣粘膜に直接包まれた。
まなちゃんは、もうテレパシーで返事をしていない。
代わりに、微かなあえぎ声を漏らすだけだった。
《よぉし。子宮口の近くまで来たよ。OKだ。
それじゃあ、糸を引っぱらないようにして、
プラスチックの筒だけを、ゆっくり抜くんだ。》
「んんっ…」
『ちゅるん…』
僕を膣の奥に残して、アプリケーターが抜き取られていった。
《ご苦労さん! まなちゃん。》
僕は真っ暗な肉洞窟の中で、まなちゃんを全身で感じている。
経血のにおいが強いが、これは仕方がない。僕はタンポンなのだから。
「はあ… はあ… やっくん。入ってるのね。ここに…」
まなちゃんは、たぶん下腹部を撫でながら目を細めていることだろう。
《どうだい、まなちゃん。初めてタンポンを使った感想は?》
《ふう…そうね。思ったより簡単だったかな。もっと、痛いのかと思ってた。》
《そりゃ、僕の指導がいいからだよ。》
《やっくんは、使いやすくて、いいタンポンなんだね☆》
《えー。まいったな。あはは…》
すっかり、生理用品にされてしまった。苦笑するしかない。
《ああっ! これって… やっくん! たいへん!》
ここで、まなちゃんの声(テレパシー)が急に慌てた口調になった。
手に持っていたものを凝視しながらオロオロする。
《これ! これ!
この外側のプラスチックみたいな所。これも、やっくんの体なんでしょ?
これ、取っちゃって、だいじょうぶなの? 痛くない? ケガしたりしてない?》
それは、確かに、もっともな疑問だ。
《大丈夫。平気だよ。》
《だって。ホントに?》
《ほら、さっき、僕は服をたくさん着てただろ? あれがその部分だよ。》
《これが…そうなの。》
《それに、もし厚着していなかったとしても、
体中の毛が無くなるくらいで済むみたいなんだ。》
《なぁんだ! よかったぁ…
やっくんが死んじゃったら、どうしようかと思っちゃった!》
《そんなに心配しなくても、ケガするようなことは最初からしないって!》
《だったら、うーん…そうね。
やっくん。今度は、服を着ないでやってもらおうかな?》
《おいおい、まなちゃん。何でそんなことを…》
《だって、毛が無くなって、つるつるの方が入れやすいし、
すべすべで気持ちがいいんだもの… いつかみたいにね… うふふ…》
まなちゃんが今、何を思い出して何を考えているか、僕は言い当てる自信がある。
《ねぇねぇ。やっくん。
なんか、こうして見ると、タンポンって、エッチっぽいね。》
《ん? そうかい?》
《だって、アソコから糸だけニョロっと出てるんだよ。
なにか変なイケナイ遊び、してるみたいな感じだもん。》
《うーん。そう言われれば、そんな気もしないでもないけどね。》
《ね。そう思うでしょ?
それにね。この糸、思ったより太いんだね。糸って言うよりヒモって感じ。》
《まあ、僕も適当に糸って言ってたけど、
紐の方が近いかもね。糸を何本もより合わせて丈夫に造ってあるからね。》
《大っきなペットボトルのコーラだって吊るせそうだよね。》
《まなちゃん! まさか…》
《しない! しないよ。そんなこと。》
《やめときなよ。特に生理中だと下手すりゃ大惨事になるぞ。》
《わかってるよ。
だけどさ、どうしてこんなに丈夫なヒモにしてあるのかなー。》
《そりゃ、やっぱり、切れちゃったら困るからだろ。
アソコの中で濡れてふやけたら切れやすくなるからね。
もし、紐が切れちゃって、タンポンが取り出せなくなったら大変なことになるし。》
《大変って?》
《タンポンは長くても半日おきくらいには新品と交換しなきゃならないんだよ。
汚れたタンポンを取り出さないで長い間入れたままにしておくと…どうなると思う?》
《んー・・・ 臭くなっちゃう?》
《ああ。それもあるかもしれないけど、もっともっと大変だ。
タンポンの中でバイキンが増えてアソコが病気になっちゃうんだ。》
《嫌ーっ!
じゃ、もしヒモが切れちゃったら、ピンセットとかで引っ張り出した方がいいよね。》
《それもダメだよ。
角が立った硬いものをやたらに突っ込んだら、大事な所に傷がついちゃうぞ。》
《それじゃ、どうしたらいいの?》
《そうだなあ。手をよく洗って消毒して、指をそっと入れて探ってみる。
それでも、どこにあるか見つからなかったり、見つかっても取り出せなかったら…》
《取り出せなかったら?》
《最後の手段で、病院に行ってお医者さんに取り出してもらうしかないなぁ。》
《そんなの嫌だ。あたし、恥ずかしいもん。》
《だから、そんな恥ずかしい目に遭わないように、
タンポンの紐は丈夫でしっかり造ってあるんだよ。》
《ふーん。そうだったんだ。
それじゃあ、やっくんのタンポン先生。次の質問で〜す。》
《はぁ? 先生?》
《トイレに行ってオシッコするとき、ヒモはどうしたらいいの?
ほら、ヒモが出てるの、オシッコの穴のすぐ近くだから、
オシッコが飛び散ってヒモにかかっちゃうと思うんだよね。絶対に。》
《タンポンを新しいのに取り替えなさい。以上。》
《えーっ。取り替えなきゃいけないの?》
《そうだよ。さっきも言っただろ?
タンポンは一日に何度か取り替えなくちゃいけないんだ。
トイレに行ったとき、ついでに取り替えるくらいでちょうどいいんだよ。》
《それじゃ、あたしがオシッコする時が、
やっくんのタンポンさんとお別れの時なんだね。なんだか悲しい・・・》
《お別れって言うのはどうかと思うけど、とりあえず僕は人間に戻れるな。》
《それなら…よーし。今のうちに遊んじゃおっと。
やっくん、そこに居るよね。ちょっと締めちゃえ。えい!!!》
『きゅ・きゅっ』
《・・・・・》
《あれぇ? やっくん。何も感じない?》
僕の悲鳴でも期待していたに違いない。まなちゃんの意外そうな顔が目に浮かぶ。
《まなちゃん。強く締まるのは膣の入り口近くだけだよ。
僕が居る場所は膣の一番奥だからね。ほとんど感じないよ。》
《なんだぁ。つまんない。》
《ははは。残念だったねー。》
《だけど、やっくん。本当にあたしの中に居るの?
なんだか、何も入ってないような気が、だんだんしてきたんだけど…》
《タンポンっていう物はね、
ちゃんと奥まで正しく入ってれば、ほとんど感じないものなんだよ。
少し時間がたって慣れちゃえば、入れてるのを忘れちゃうくらいにね。》
《へーぇ。そんなものなんだ。》
《だから、まなちゃん、
明日の朝には、ちゃんと忘れないように僕を出してくれよ?》
《わかってるよ。でも、そうかぁ…
感じないんじゃ、ちょっとつまんないよね。
ちょっとだけ、引っぱり出しちゃおうかなぁ。》
《だめだよ! まなちゃん。
使用上の注意を守って正しく使わなくちゃ許しませんよ、タンポンとしては。》
《はあい…》
《さあ、まなちゃん。もう寝なよ。
僕は今日は昼寝をしたから、朝まで起きてても大丈夫だから。》
ここで、以前の話を忘れた人のために解説しよう。
僕がタンポンであるためには、眠ってはいけない。
うっかり眠ってしまうと、変身が解けて人間のコビトの姿に戻ってしまい、
彼女の膣の中で経血に溺れることになる。
重力の向きが90度変わった。
僕の言いつけをちゃんと聞いて、ベッドに入ったようである。
《ありがとう。やっくん。素敵なプレゼントだね。
あたしの初めてを、やっくんが見守っててくれて、なんだかシアワセ…》
《そのうち、また、本当の誕生日プレゼントをするよ。まなちゃん。》
《そんなの、いらないよ。
やっくんが居てくれればいい………
ずっと…そばにいて……やっくん………》
まなちゃんのテレパシーは、次第に安らかな寝息へと変わっていった。
興奮して眠れないのではとも思っていたが、やはり疲れていたと見える。
(これで、まなちゃんも、ひとつ大人になった…か…)
僕は、彼女の中で、少しずつ経血を吸い取って膨らみながら、
本当にこの娘が可愛いと感じていた。
時々過激な遊びを強要するけど、そんな所も含めて、この娘を好きなんだと思った。
このままサポーターとして彼女の成長を見守っていくのも悪くないかもしれない。